色彩

紅の色が例えば 咲き乱れたとして
その色があらわすのは バラの花
棘が頑なに自身を守っている

蒼の色が例えば 壮大に広がっていて
その色があらわすのは 母なる海
小さい生き物がいだかれている

翠の色が例えば 勇ましく立ち向かていったとして
その色があらわすのは 生き物の帰る場所
木々が守り、その心は歓喜している

黄の色が例えば 暖かく見守っていて
その色があらわすのは 暖かい陽だまり
月に変わるその瞬間まで瞬いている

白の色が例えば 虚無になっていて
その色があらわすのは 空っぽの空
なにも無いその空間を抱きしめている

紫の色が例えば ひらひらと飛んでいたとして
その色があらわすのは 小さな命を持つ蝶
蛹から変える瞬間に芽生えるものを思う