六つの花
可愛らしくありながら
冷たさを秘めた
さながら心のように凍えさせる力を持つ
そして見る人に暖かさを持たせる
深紅は映え
漆黒は浮かび上がるように
彩る場所を一色に染めてしまう
六つの花弁
掌で触れられないほどに
繊細で儚くて
何かに染まっていく
足跡はどこへ向かって行くの
いつかまた白い花に行く手を遮られ
歩けなくなってしまうことがないとは限らない
六つの華
華美でありすぎず
それだけで孤高の美しさをもち現れる
冷たく閉ざされた白銀の世界に誘われゆっくりと目覚めていく
もうすぐ六つの欠片は
どこかへ逃げて行く
そしてまた何食わぬように掌にあたる花弁
見上げてごらん
小さな白が絶えず降り注ぐ