彼らは答えた

少女は凛とした面持ちで問いかける
曰く共にいられる約束をくれたのではないか

青年は中途半端な微笑みで答え嘲る
曰く口約束などいつ破られても証拠がないのだと

それでも少女は頑なに説く
曰くあなたの傍にいられるだけで幸せなのだと

そして青年は冷たい視線をおくる
曰くすでにそれは幸せだといわないのだと

少女は縋るように雷を落とす
曰く決めつけてほしくないと

少女は今までにない一面を見せる
それは愛おしさから
そして切ないほどに思うから
狂おしいほど望むから
少女はもどかしく叫ぶ

青年はかつて無い激情を見せる
それはわからないから
そして憎らしいほどに思うから
発されるほど疎ましいから
青年は悔しくて叫ぶ

すれ違う二人はけして
交わることなど無いのに

少女は諦めつつ
青年は呆れつつ
終わらぬ結末を夢見た

我儘
曰くそれはとどまることを知らない感情

偽り
曰くそれは思うことで口にしなかった青年の末路

少女は一度も泣かなかった
曰く戻ることは無いと知っていたから

青年は一度も振り向かなかった
曰く思いを振り切るためなのだと

言葉が不足している青年は
かくも少女を悲しませるだけだった

終末はとても悲しく
それでも末はさっぱりした顔で別れがつむがれていく

永遠の連鎖