月と陽

星が燦々と降った日を覚えていますか。
明るい月明かりの中に、ふたりで空を見上げました
そのウサギは何を見ていたのでしょうか

月がきらきらとささやいた夜を知っていますか
霞んだ星と雲に隠れて、恋しく求め続けました
そのヒカリは何を伝えていたのでしょうか

陽が深々と眩しい日は耳を澄ませて聞いてください
鮮やかな緑が呼吸して、きれいな吐息が零れました
そのフカミは何を示していたのでしょうか

太陽も月も隠れてしまいました
もう誰も、乞うことはできないのです

空を、天を見上げました
海はまるで空と合体してしまったような闇が包み込みました

あくる日、呟きを聞いたのは誰だったのでしょうか
陽の光が眩しく、雲はひるがえり、闇は退きました

星の恵みは、尽きていなかったのでしょうか
零れ出るしずくを海で、空で、尽きぬ思いを打ち明けました